赤木メンタルカウンセリング 本文へジャンプ
認知行動療法とは


 従来、うつ等の気分障害や不安・緊張・パニック等の不安障害には、薬物療法が中心的に行われてきました。しかし、近年、先進諸国では、「認知行動療法」が大きな役割を担うようになってきました。

 この
「認知行動療法」は、アメリカのペンシルバニア大学のアーロン・T・ベック医学博士により開発されたもので、うつや不安、ストレスに大きな効果をもたらしてきました。現在アメリカやイギリスでは、この「認知行動療法」が行われ、その効果が実証されています。
 最近、日本でもこの「認知行動療法」を薬物療法と併用する形で実施されるようになってきました。

 人には、様々な考え方や受け止め方があります。いろいろな出来事や状況下で頭をよぎる瞬時的な考えを、
「自動思考」と言います。この思考は、歪みや偏りがあることが多いのです。この傾向が強くなると、うつになったり不安感が強くなったりします。その結果、思いこみはますます強くなり、物事を否定的に捉え、思うように行動がとれず、対人関係もうまくいかなくなり、行き詰まるようになります。

 この「認知行動療法」では、クライアント(相談者)が抱く特有な思考形態をセッション(面談)内で十分検討・調整し、問題を改善するためのスキル(技能)を身につけることを目標としています。

 例えば、乗り物に乗ると息が苦しくなり、心臓発作が起きるのではないかというパニック症状を抱えている方は、乗り物が近づいてくるだけで不安感が昂じ、乗り物を避けるようになります。これは
「回避行動」と言われるものです。回避すると一時的には不安が軽減できるのですが、この状況を繰り返すと症状は改善するどころか、悪循環の輪の中にはまり込んでしまいます。その結果、不安はますます強くなり、否定的な見方しかできなくなります。このような思考を調整していくのが、認知療法の大きな特徴です。クライアント(相談者)は、このようなトレ−ニングの実践をすることを通じて、自分の抱える問題をコントロールできるようになります。

 
カウンセリングでは、「認知行動療法」特有のシート(ツール)を使用します。相談に来られた方はそれを確実に理解し、実践していくことによって自分の抱えている問題に気づき、自分を客観的に見ることができるようになります。カウンセラーは、日常生活への効果的な適応の方法についてアドバイスをしたり、相談に来られた方が抱えておられる生きづらい受け止め方や行動の改善のために、計画的に個別のプログラムを組んで支援をしていきます。 最終的には、自分の抱えている問題に対して解決への方向が見出せるようになります。